医師の転職~臨床以外の職場へ

この記事では医師の方が医師免許やその経験を活かして就くことのできる臨床以外の職種・職場もしくは働き方をご紹介します。現在、臨床以外の道に興味を持つ若い先生方が特に増えているようです。

医学部卒後すぐにその道に入る医師もいれば、卒後5~10年経ってからという医師もいらっしゃいます。あるいは臨床と並行してこうした新しいことを始める方も多いです。

ただ、臨床経験に乏しい医師はせっかくの「医師」の看板効果も半減しますので、例えのちにどんな道に進む場合でも医学部卒後最初の数年間に関しては、やはりいずれかの臨床経験を積まれることを当サイトではおすすめします。

【医療】

1、産業医

産業医は企業専属の医師みたいなもので、そこで働く労働者の心身の健康管理を行うのが主な仕事です。患者の治療にあたる臨床医とは区別されます。産業医は治療行為は一切行えません。産業医の働き方は「嘱託」と「専属」にまず分かれます。

嘱託産業医は勤務医や開業医が日々の仕事と並行して職務を担っているケースが多いです。労働者の健康診断や職場巡回など必要業務がある時だけやってきます。現在ほとんどの産業医はこちらの嘱託産業医です。

一方の専属産業医はその企業の一員になって職務に従事します。専属産業医の働き方に関してはオンコールや日当直などもちろん無く、基本的には週休2日以上の求人が多いですので医療機関で働く臨床医と比べれば格段に働きやすくなるでしょう。

産業医の平均年収は中小企業で400~800万円位、大企業では1000万円以上となっており、年齢や担う職務の幅に応じて前後します。やはり臨床医のお給与よりは低くなってしまいますが、ワークライフバランス重視の医師に人気のある職種です。産業医については下記ページで詳しく解説しています。

>>>医師の転職~産業医として働くには

<☆ワンポイント>

人間ドックや健診などを行う予防医学の職場は臨床に含まれるためここでは詳細を省かせていただきますが、これらの職場は当直やオンコール等がなく定時勤務が基本なので、ワークライフバランス重視の方に人気があります。もし勤務時間の制約があるために臨床以外の職場をお探しの場合には、人間ドックセンターや健診センターでの勤務、または保健所などで働く公衆衛生医師という働き方も良いかもしれません。

【ビジネス】

1、製薬会社

製薬会社にも(一般にメディカルドクターと呼ばれる)医師が勤務しています。仕事内容は新薬開発時の臨床試験の計画書やプロトコール(治験実施計画書)などの作成、有害事象の評価、文献の分析などがあります。

製薬会社で働く医師に必要なのはまず第一に、新薬に関する豊富な知識やプレゼンテーション能力です。加えて海外の文献を読んだり、海外の企業や研究機関を相手にしたやり取りが求められるためハイレベルな英語力が必須、ある程度の臨床経験も必要となります。

製薬会社の医師も産業医同様企業の一社員となるため、臨床よりも比較的労働環境は恵まれています。フレックスタイムや在宅勤務をOKとしていたり、専門医資格維持のために臨床との兼業を認めている会社もあるようです。

2、医療機器メーカー

医療機器メーカーの営業職として働く道もおすすめです。特に病院で働いていた医師の場合は医療機器の需要も分かりますし、何より販売先である各病院のことは元々の業界人であるだけに普通のメーカー社員よりもはるかに理解できるはずです。病院勤務時代の人脈も活用できれば大きく活躍できるでしょう。臨床医時代に比べれば働き方はぐっと緩めることができます。お給与も会社員としては比較的高水準です。

3、保険会社

生命保険会社の場合、生命保険社医として入社。加入審査や支払い発生時の審査業務が仕事です。基本的に定時勤務で、週休二日以上、お給与は平均年収1200万円位と会社員としては良く手厚い福利厚生がついている会社が多いので人気がある働き方です。ただし、この職種は全国転勤が就業条件となることもあるので注意が必要です。

4、コンサルタント会社

さまざまな業界の第一線で活躍する人たちと関われるのが魅力。かなり激務。所属するコンサルタントはクラス分けがされていることが多く、外資系大手企業の場合はよくジュニア、ミドル、シニアのコンサルタントに分かれています。

5、起業

臨床経験を活かしたコンサル会社や医療系アプリ・AIを開発するベンチャー企業などが近年の医師起業では定番です。特に「医療×AI」というテーマの起業に世間の注目が集まっています。そうしたテーマでの起業の場合、やはり医学の知識以外にもプログラミング技術なども必要です。医師だけでの起業は基本難しいので、良い相方に巡り合えるかが起業の成否を左右します。昨今の起業は分野を問わず、10社起業した中の9社が3年で失敗(倒産)するという厳しい世情ですが、もし成功すればその業界・分野に大きな一石を投じることになります。

【行政】

1、厚生労働省

政治政策立案により医療を良くすることに貢献できます。国の医療・福祉分野における全体像が把握できてやりがいもあります。入省後に臨床に戻ったり、ある程度臨床を経験したあとに入省する方も多いです。お給与は国家公務員規定に基づいており、ポストは卒後年数で決まります。

2、PMDA (医薬品医療機器総合機構)

PMDA(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency:医薬品医療機器総合機構)とは国民保健の向上に貢献することを目的とし、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づいて2004年に設立されました。市販薬に表示されている「副作用被害救済制度」はこの組織が担っています。医薬品、医療機器、再生医療等製品などにおける

  • 審査
  • 安全対策
  • 健康被害救済

という3つの業務を主に担う幅広い専門分野(薬学、毒性学、臨床医学、疫学、生物統計学など)の人材を採用しています。海外への情報発信業務もあるため、ITシステムや語学に長けた人材も積極採用されているようです。

3、WHO(世界保健機関)

途上国の医療に貢献したい方が歩むキャリアです。世界を舞台に活躍し、国際的な視点や人脈を得ることができます。

4、議員

医師免許をもつ議員は国会議員から地方自治体に至るまで多々います。政治家は一定期間での就任・解散があるなど一般職ではなく特別職にあたるため法律上副業はOKとされますので、臨床医と並行して議員活動を行う方もいます。

【法律】

1、弁護士

医療訴訟が全国あちこちで起きている現在、弁護士資格を取得する医師が増えています。法科大学院制度の導入もそれを後押しする形です。お給与に関しては千差万別です。


 医師の臨床以外に歩める道として、他にも基礎研究職、老健の施設長、タレントなどがあります。近年は医師免許を持つタレント医師をよくテレビで見かけますね。

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