医師は専門医なしで大丈夫?|専門医資格の必要性

1、新専門医制度とは

医師

専門医制度は日本専門医機構が各診療科の専門医として医師を評価・認定する制度です。これまでの専門医制度は一変され、専門医の質を高めて良質な医療を提供することを目的として、2018年4月に「新専門医制度」と名を新たにしました。

これによりこれまで各専門学会が独自に運用してきたそれぞれの専門医認定プログラムは、第三者機関である日本専門医機構によって統一した運用が成されることとなりました。

今回の新制度により、各専門医の取得までの研修内容や期間が変更されています。詳細は各専門学会のホームページをご覧ください。下記が主立った制度の変更内容です。

  1. 新専門医制度プログラムを受けられるのは基幹病院として認定された下記が候補となります。
    1. 大学病院
    2. 市中病院(民間病院)
  2. 基本領域の専門医に「総合診療専門医」が追加されました。
  3. 専門医資格を取得するまでの研修内容や期間を各診療科ごとに再設定。
  4. 後期研修医を今後は「専攻医」と呼ぶこととなります。
【▼日本専門医機構が設定する専門医の取得・更新費用について】
●専門医(5年間有効)の取得費用: 初年度は1施設あたり10万円、その後4年間は1年ごとに1万円
●専門医の更新費用: 1万円

2、専門医をとらない理由

大半の医師(約9割)は専門医の資格取得を目指します。しかし、中には必要性を感じないなどの理由で専門医の資格を取得しない医師も一定数いらっしゃいます。取得しない主な理由を下記にご紹介します。

[▼医師が専門医資格を取得しない理由まとめ]

  • 必要ない。なくても困らない。(40代男性、内科・総合内科)
  • 今からは無理そう。(50代男性、内科医)
  • メリットや必要性を感じない。(40代女性、皮膚科医)
  • 専門医として働かない。(60代男性、内科医)
  • 研修と育児の両立や、取得後の資格維持が難しそう。(30代女性、内分泌、糖尿病、代謝内科)
  • 給料と関係ない。(30代男性、内科医)
  • 時間や手間がかかる。(40代・50代男性、内科医)
  • 今から取得するのはかなり大変そう。(50代男性、内科医)
  • 資格がなくても患者の信頼は得られている。(30代男性、内科医)
  • 一般病院勤務に何ら役に立たない。(30代男性、内科医)
  • 研修施設での勤務が不可能。(30代女性、内科医)
  • 医師の資格を細分化することは自爆。(50代男性、内科医)
  • 取得時期を逃した。(40代女性、産業医)
  • 診療報酬が変わらないため。(30代男性、内科医)

[2018年3~5月、株式会社メディウェルの医師会員アンケート調査より。下記データも同様。]

3、専門医の維持・更新を止めた理由

専門医の資格を取得したは良いものの、その有効期間は5年間です。更新しなければ資格は失効します。ここでは専門医資格の更新をせずに維持しなかったケースに関して、その代表的な理由を下記にご紹介します。

[▼医師が専門医資格を更新しなかった理由まとめ]

  • 更新の必要性を感じない。(50代男性、内科医)
  • 更新条件が厳しくなった。(50代男性、内科医)
  • 学会が規定にない事柄を理由に更新を認めなかった。(50代女性、麻酔科医)
  • 更新するための点数が不足した。(40代男性、内科医)
  • 多忙で学会参加が難しい。(30代女性、麻酔科医)
  • 単に更新が面倒だった。(50代男性、精神科医)
  • 症例不足。(60代男性、内科医)
  • 経済的なメリットがないから。(50代男性、内科医)

4、【結論】医師は専門医なしで大丈夫か否かについて

上記、医師が専門医の資格を取得しなかった(更新しなかった)理由に関しては、

  1. 取得(更新)はしたいものの、何かしらの事情により取得できなかった。
  2. そもそも取得(更新)する意味・メリットがない。

上記2つに大きく分けられますね。また、資格取得(更新)をしなかったのは、内科系の医師が特に多いことが見て取れます。人が体調を崩したときまず内科を受診する方が多いことがあり、内科は幅広い診療科の知識を要します。

ゆえに専門に偏ることに対してむしろ抵抗があったり、不要と感じる医師も多いようです。勤務医の場合、お給与も専門医とそうでない医師とでほぼ変わりないというのが現状です。

専門医資格はできればとっておきたいものではあるものの、取得にはかなりの費用と時間がかかるのも事実です。描くキャリア次第では必ずしも必要とする資格というわけではありません。

もちろん一般的には専門医を取得するメリットは大きく、「キャリアアップの軸が明確になる」「医師としてのスキルのバロメーターになる」など、第三者が医師の経験や実力を測る判断基準とされることはよくあります。

患者から見ても専門医を取得した医師というのは魅力的であり信頼につながる1要素なので、所属病院への集患にも役立つ可能性があり、職場によってはそれが高く評価されることもあり得ます。

結局は描く今後のご自身のキャリア次第で、専門医資格が必要か否かを判断することです。一般的に専門医を取得するメリットは大きいものですが、引き換えにかなりのコストと時間がかかるもの。それだけの投資をして取得すべきか否かをよく考えてみると良いですね。

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